我々人類の想像を遥かに超えた存在である怪獣。

そんな怪獣をまるで動物を手懐けるが如く自身の思い通りに動かしてみたいなんて思ったことはありますか?

これまでのウルトラシリーズの作品中でも、怪獣を自分の意のままに操作しようとする人間は沢山出てきました。

ですがほとんど失敗に終わっています。なぜなら怪獣だから。

いくら生物といっても相手は想像以上のパワーを持った人類にとっての脅威であり、それを手懐けるとなると相当な覚悟が必要になります。ただ万が一、調教に成功したとしたらこれほどに自分の力になる存在はいないはずです。

 

怪獣ではないですが、海外ではライオンや熊など人間には手に余る力を持った動物を小さい頃から家族同然に育て上げたケースもあります。

ただその結末は…。

 

今回は、もしも手懐けることに成功すれば人間にとっては途轍もない力になること間違いなし、人類の発展がかつてないほど進む怪獣を紹介します。ですが相手は怪獣、生半可な覚悟で手を出すことは不可能です。

同時に動物はどれだけ愛情を注いでも本能まで変えることは難しいということを学んでいただければと思います。

ウルトラマン第17話『無限へのパスポート』にて初登場、「四次元怪獣 ブルトン」です。

 

 

ブルトンってどんな怪獣?

怪獣ってイメージすると、人類の想像をどれだけ超えていたとしてもどこかしらに生物感があるものです。「尻尾がある」とか「四足もしくは二足で歩く」とか。

ですがこのブルトンの見た目からはそういったものは感じられません。

© 1966年/円谷プロ
手前がブルトン

目や口らしきものはなく、無機物のような外観で感情や表情が読み取れず、何をしてくるか分からないという不気味さがあります。

元々ブルトンは赤と青の二つの隕石として発見されましたが、それを一か所に保管していたところ融合してしまい、怪獣として誕生したものです。

最大の特徴は「四次元怪獣」の肩書き通り、「空間を捻じ曲げる」「対象を四次元空間に飛ばす」というものです。

体表の孔から繊毛のようなものを出し能力を発揮。ウルトラマンや科学特捜隊のメンバーを翻弄しました。

 

具体的な能力としては…

・部屋を上下逆さまにする

・走って追いかけると違う場所に出てしまう(崖から飛び降りる、壁に向かって走る、元の場所に戻ってしまう)

・自衛隊の戦闘機や戦車部隊を能力で罠に嵌め、「戦闘機が地面を這う・戦車部隊が空を飛ぶ」という状況を作り出す

・飛び蹴りしてきたウルトラマンを空中でストップさせそのまま回す、地面に沈めて違う空間へ飛ばそうとする

その場にいるだけで空間を変えてしまうという厄介な存在であり、その場にいたもの全員をパニックに陥れます。(ウルトラシリーズ屈指の強豪怪獣の一角として数えられることも…

※上記のような理解しがたい状況=シュールな状況を作り出すという部分から、名前の由来はシュルレアリスムの父「アンドレ・ブルトン」から取られていると言われています。

 

最終的にはウルトラマンの空中高速回転で繊毛を破壊され(ウルトラ戦士内では伝統芸の、回れば何とかなるの法則)、逃亡を図ろうとしたところをスペシウム光線を二発撃たれて撃墜。元の二つの隕石に戻り、それをウルトラマンに握り潰され宇宙へと運ばれました。

 

どちらかというとマイナー怪獣の一体ではありますが「空間を操る」という反則級の能力が後の作品にも活かされ、物語の根幹に関わっているという設定だったり、能力だけを侵略宇宙人に利用されたり、世界観が異なるヒーローたちを共演させる理由となったりと、かなり大きな影響を与えています。

迷惑としか言いようのない存在ですが、ブルトンの行動自体に意思があったかは不明です。もしかしたら空間を変えることは単に「野生での生態」だっただけで、悪意はなかったかもしれません。

 

昨日放送のウルトラマンZ 第14話『四次元狂騒曲』でもブルトンは登場しました。

その際に能力について、「ブルトンの発生させた四次元空間は人間の深層心理と結びついている」ということが判明しています。つまり、空間内の誰かが少しでも考えたり願ったりしたことはブルトンの力で時間や空間を超越してそのまま現実になってしまうということです。

 

考察:一家に一台、ブルトンはいりますか?

劇中でブルトンは人類の脅威として描かれたため、人類の発展に貢献させようという展開はこれまで一度もありませんでした。

ですがいつかはブルトンを人類の為に活用しようというストーリーが今後のウルトラ作品で起きてもおかしくはないと思います。

今回の考察では実際に活用できるのかということを話していきたいと思います。

 

上記でも書いた通り、「四次元空間がその場にいた人間の深層心理と結びつく=心の中で思ったことが現実のものとなる」という点から考えると、能力の解析はある程度できているため有効活用ならいくらでもできそうです。

一家に一台(一匹?)あれば時間をかけずに旅行に行くことができるでしょうし、国が管理すれば平和な世の中がいくらでも作れます。

反対に悪人が利用すれば世の中を破滅に陥れることができるでしょう。

 

持ち主によって悪にも善にも動くと言ってしまえばそこまでですが、そもそも人の手に収めることができるのかということが問題です。

 

「野生での生態」と述べたように、ブルトンにとって空間を曲げる行動は日常茶飯事・いつもの習慣と考えると、そのいわゆる本能的な行動に人間がどれだけ干渉できるのか?そもそも関わることはできるのか?ということになってきます。

 

現実世界のお話ですが、人間には抑えきれない動物を飼おうとした人のケースを少し紹介します。

・ロシアのとある男性が、一匹の熊を小さい頃から我が子同然に可愛がっていた。その後、男性は骨となって発見された。

大人になった熊に襲われ食べられてしまったという結末で終わりました。

毛色は違いますが、どれだけ愛情を注いでも野生の本能までは変えられなかったというお話ですね。

 

同じ地球上にいる生物でも共存が困難な生物がいるのに未知の宇宙からやってきたブルトンはどうでしょう?

しかも単純に噛みつく・引っ掻くなどの行動ではなく、「空間を変える」という想像を超えた能力。

パラレルワールドや異次元の世界自体まだ解明されていないことが多いのに、ブルトンなんて受け入れようものなら世界は大混乱です。

それを利己主義的な考えのみで利用したら世の中はどうなってしまうのでしょうか?

 

いろいろ話がズレてしまいましたが、「怪獣を手懐けることはできるのか?」というテーマで今回はお話ししました。

いずれにせよ人類にとって宇宙はまだまだ踏み込むべきではない禁断の世界なのかもしれません。

 

 

~ちょっとだけ次回予告~

今回紹介したブルトンは一体の怪獣として人類に利用されることなく退治されましたが、次回は「実際に人間が利用しようとして大失敗した怪獣」を紹介しようと思います。