ウルトラQ、ケムール人から2020年以降の人類の姿を考える

ウルトラQ
© 1966年 円谷プロ

そういえば今年って2020年でしたね…。

 

特撮界隈、特に昭和作品の時代設定はだいたい2000年代となっています。

未来はこれだけ人類が進歩しているという夢を視聴者に与えるために、製作者サイドが今後起こりうるであろう出来事を想像して作品は作られています。そしてその夢は2000年代に叶うという設定にしてありますが、ほとんどの場合はまだ実現不可能なことばかりです。見通しは少し甘いです笑

特撮世界のような怪獣災害や科学兵器は今のところ現実のものにはなっていないですが、一部「近い将来こうなるかもしれない」という不安を掻き立てる表現も多くあります。

特撮作品は未来への希望と同時に人類への警告を鳴らすものが多く、特に円谷作品ではそれが顕著です。

昭和時代によくこれだけの未来予想ができたものだと平成生まれの僕にとっては感心させられることが多いです(何様だよ)

今回は、今年2020年以降に起こるかもしれない問題をテーマとした非常にタイムリーな怪人を紹介したいと思います。

ウルトラシリーズ(空想特撮シリーズ)記念すべき第1作目のテレビドラマ『ウルトラQ』第19話「2020年の挑戦」に登場した「誘拐怪人 ケムール人」を紹介します。

そこから人類の行く末について一緒に考えていきましょう。

 

『これから30分、あなたの目はあなたの体を離れ、この不思議な時間の中に入っていくのです』

(ウルトラQナレーション CV:石坂浩二)

 

 

 

ケムール人とは?

我々と同じ二足歩行体型でありながら、左右の位置がずれた目や頭についた突起など人間とは似ても似つかない姿をしたケムール人。

その正体は、ケムール星からやってきた宇宙人であり「科学の発展により人口血液や臓器を開発し500年の寿命を手に入れた異形の存在」でした。

しかしそれでも時間の流れとともに進行する肉体の衰えには逆らえず身体はボロボロになっていくため、新たな若い身体を手に入れるために地球へとやってきました。

© 1966年 円谷プロ

「フォッフォッフォ」と不気味な笑い声を出し、頭部の突起から空間転移能力を持つ液体をばら撒いて人間を攫います。

音もなく忍び寄り、人間を一瞬で消してしまうシーンは当時の視聴者にトラウマを与えました。

ウルトラQは放映当時の映像技術の都合上モノクロ放送となっていますが、逆にそれが恐怖心を与える演出に一役買って出ています。

 

肉体は衰えているものの改造技術によって得られた身体機能はずば抜けており、自動車が追い付けないほどのスピードで走ることも可能です。

© 1966年 円谷プロ

頭部からの液体攻撃以外の特殊能力は持ち合わせておらず戦闘の際はもっぱら怪力を駆使して暴れますが、「誘拐怪人」の肩書通り目的は地球人の誘拐であるため、必要時以外は戦わなくて良いと考えられます。

サブタイトルである「2020年の挑戦」。これはケムール人の一連の事件が劇中に登場する科学者が執筆した書籍の内容にそっくりであり、その本のタイトルが「2020年の挑戦」であった所からとられています。

そしてこの本自体もフィクションではなく、実際に作者がケムール人との交信内容を記録したものでした。

「医療技術の発達によって長寿を得たものの肉体はそれに追いつけなかったため、若い肉体を2020年のケムール星に連れて行く」

というのが作者とケムール人の主な交信内容でした。

つまり2020年というのは、ウルトラQ世界の地球の時間軸ではなくケムール星側の時間軸だったわけです。

 

 

人類の未来はケムール人か、それとも

あくまでケムール人を含め一連の事件はフィクションではありますが、現代日本の少子高齢化問題を考えると他人事とは思えません。

過去には「2020年には日本の高齢者世帯が30%を超える」という予測もあったほどです。

一説によれば、ケムール人こそが人類の未来の姿とも言われています。何だかリアルですよね…。

2020年もあと数か月で終了する現代、幸いなことに人間はケムール人ほどの異形の姿には変貌していません。

このまま変わらないままでいてほしいものですが…

 

ケムール人のように、人類の未来の姿については特撮だけでなく別の業界でも触れられており、スコットランドの地質学者、ドゥーガル・ディクソン氏が執筆した著書『マンアフターマン』にも自然破壊や文明崩壊が起こった地球上での人類の進化した姿について紹介してあります。

© Blandford Press

500万年後という果てしなく遠い未来の人類の姿がについて触れられており、それぞれの環境や目的に適応するためとはいえケムール人以上の異形の者と化した人類(の想像図)が描かれています。

 

行き過ぎた文明生活により強度を失った己の体を機械で代用し、本体はコックピット部分に収納した姿や、

© Blandford Press

 

砂漠が広がることで食料を失い、住処を求めて活動の拠点を水中に移した姿や、

© Blandford Press

 

肉体単体で生存する事は不可能となり、生活圏を木の上とし生命を維持するために生命維持カプセルをその肉体に纏った姿など、

© Blandford Press

 

いくら環境に適応するためとはいえ、人間を捨てているようにしか見えません。ケムール人としての姿がまだマシなんじゃないかというくらいです。

ケムール人といい、『マンアフターマン』内の人類の姿といい、共通点としては「遅かれ早かれ人類は同じ姿で反映し続けることは不可能」といったところでしょうか?

 

 

まとめと考察:悪夢は終わらない

異星人という設定ながらも未来の人類と言う側面を持ったケムール人。

ちょっぴり人間感を残しながらも全く別々の生き方をしている「マンアフターマン」。

この二つの姿を人類の進化と捉えるか退化と捉えるかは意見が分かれるんじゃないでしょうか?

どんな過酷な環境にも適応することができるようになったという点では進化と言えるでしょうが、本来人間が持っていた長所をいくつか失ってしまっているという点では退化と言えます。

人類の飛躍の為に科学技術を進歩させたはずなのに、その代償として文明の崩壊や自然破壊に繋がってしまい異形の姿へと変貌せざるを得なくなるとはなんとも皮肉な話です。

ケムール人登場回の放映当時ははるか遠い未来のお話のはずでしたが、時代の流れとともに人類のこれからに関するいくつもの文献が登場していることを考えると、やはり他人事とは思えません。

2020年は何事も起こらず終わりそうですが、2021年は何かが変わっているかもしれません。

ケムール人の悪夢は続いているのです…。

 

記事内で紹介した人類の進化を見比べてみよう!その他の最新特撮グッズもチェック!!

 

 

スポンサーリンク




コメント

タイトルとURLをコピーしました